はぐれハラダーソン

自転車旅ブログ

【モンゴル】ウランバートル→フブスグル湖 自転車旅 vol.4

未舗装路200km後半戦

朝起きると、右目にものもらいができて腫れていた。ゲップがゲロのように酸っぱい味がした。相当疲れているのだろう。ウランバートルからボルガンまでは足慣らしのつもりだったが、そんなに甘くはなかった。

テントの中にも、外にも、蚊がたくさんいる。長袖のフードをかぶってテントを片付ける。水辺に近いから、こんなにたくさん蚊がいるのだろうか?こんなに蚊がいるのは初めてだ。

いつも旅行には必ず虫除けスプレーや虫さされの薬などを持って行くのだが、前回、蚊がいたイメージがあまりなく、持って行かなくても大丈夫かと思ったが、ダメだった。町(ボルガン)に着いたら虫除けスプレーは絶対に買おうと思った。

 

テントを片付け出発。まずは20km先にある〈売店〉を目指す。残りの水も残りわずか。水の補給をしないといけない。

売店〉までは一つ峠を越える。峠を登って行くと、車が通るには危険なところもあったが、自転車なら問題なく進める。200mほど登って、峠の頂上へ。

峠の頂上にはオボーがあったので、時計周りで3周する。これはモンゴル流の旅の安全を祈願するものだ。

 

そこからは〈売店〉までひたすら降る。スピードに乗り風を受ける。朝の冷たい空気が心地良かった。あまりにも気持ちが良くて声が出てしまった。

こんな道に出会えるから自転車旅は最高なんだと思った。

オアシスのような売店

9時、〈売店〉に到着。

昨晩はビスケットしか食べていないので、できれば食堂で美味しいご飯を食べたかったが、事前に調べていた通り食堂はなく、売店が数店あるのみだった。

売店でお湯をもらいカップラーメンと手持ちのパンを食べる。よく見るとパンにカビが生えていた。この暑さのせいでパンもすぐにダメになってしまった。せっかくウランバートルで美味しいパンを買ったのに、3日間しか持たなかった。でも、食べられそうなところだけ、ちぎって食べた。

食後、水も補給できたので歯を磨いた。昨日も今朝も、水の節約で歯を磨けなかった。やっぱり歯を磨くと気持ちが良くてリフレッシュできた。

飲み終わったペットボトルなども捨てて、パッキングをしなおしたりしていたら、売店の前で1時間ぐらい過ごしてしまった。

ちなみに買った水はエバニューのウォーターキャリー2Lに移して、一個はサドルバッグの底に入れクッションがわりにして、もう一つはフレームバッグに入れている。

 

10時過ぎに再出発

充分に休憩し、水の補充もできたので再出発する。

ここから先もやっぱり未舗装路が続く。40km緩やかに登り、40km緩やかに降る。合計80kmの未舗装路だ。そこを走り切ったところに村(集落)があり、村の食堂で夜ご飯を食べるのが今日の最大の目標だ。インスタントラーメンばかりなので、今日は何としてもちゃんとしたご飯がが食べたい。

まずは40kmの登りだ。気温が一気に高くなり、昨日よりもさらに暑い。相変わらず日陰が全くないのでキツい。

しばらく進んでいると、後方から異音が聞こえてきた。後方を確認してみると、サドルバッグがリアタイヤに当たっていた。水を多めに買ったので重量が増し、サドルバッグが重さに耐えられず、バッグの底の中央部分が沈んでしまい、リアタイヤに擦っていたのだ。

ガスバーナーの上に敷く金網の四隅をドライバーで穴を開け、少し曲げて、タイラップでサドルバッグサポートにくくりつけた。この金網は米を炊く時に使用するために持って来たが、今回は米を炊きそうにないので、まあいっか。

金網の大きさもちょうど良かった。とても簡易的だが、この後はサドルバッグがリアタイヤに擦ることはなくなった。

 

緩やかな登り道が続いていたが、登りがキツいエリアにさしかかった。こんな道を良く走れるなっていうぐらい、古くて大きなトラックがゆっくりとやって来た。トラックは土を運んでいるみたいだった。そのトラックのおじさんが何度も「乗って行け」と声をかけてくれた。本当に優しい人だった。

その他にも、通りかかる車は少ないが、色々な人が声をかけてくれるのがありがたかった。

40km登り切ったところで休憩。

登りでだいぶ時間がかかり、すでに15時。今日は何としても村の食堂で夜ご飯を食べたい。インスタントラーメンを作ろうかと思ったが、今からラーメンを作っていると流石に時間がかかるので、肉の缶詰を食べる事にした。箸を出すのも面倒だったので手で食べた。コンビーフのような味で美味しかった。

道を間違える

遅い昼ご飯をさっと済ませ、先を急いだ。ここからは40kmの降りだ。調子に乗りドンドン進むが、なんか道が違うと思い、確認すると道を間違えていた。急ぐとロクなことがない。

googleマップとmap.meの両方で道を確認し、数キロ戻る事にした。農園と農園の間のかなり荒れている道がgoogleマップとmap.meが示す道だった。デコボコすぎて車で走るのはキツそうな道だ。何度も飛び跳ねそうになり、ラックのネジがまた外れないか心配だったが、走っていてとても楽しかった。

道を間違えたのも、ほとんどの車はこのデコボコ道を通らずに、大回りしていくのだと思う。車が行く方につられてしまい道を間違えてしまった。

 

デコボコ道が20kmほど続いた後、遊牧エリアに出た。山と山に挟まれ、小さな川が流れていて、その周りにたくさん馬や牛がいた。とても美しい風景が広がっていた。小学生くらいの男の子が馬に乗ってヤギを追っていたり、小さい子供達がこちらに向かって声かけてくれたりする。まるで絵に描いたようなモンゴルの遊牧民の原風景が広がっていた。

自転車から降りて写真や動画などを撮ってゆっくりしたかったが、漕ぐ足を止めたくなくて、ひたすら走り続けた。今日はどうしても村の食堂で夜ご飯が食べたいのだ。後から、写真ぐらいは撮っておけばと後悔したが、19時まで村に着きたいので休まず走った。

遊牧エリアのあたりから車でも走れる道になったので、ここら辺で先ほど間違えた道と繋がるのだと思う。遊牧エリアを抜けるとボコボコの砂利道で何度も飛び跳ねてお尻が痛かった。

舗装路に感動

遊牧エリアから20kmほど走ると、ついに村が見えて来た。

村の前には綺麗な舗装路が通っていた。舗装路にタイヤが乗った瞬間、あまりの滑らかさに感動してしまった。ものすごく軽やかで浮いているような感じがした。

 

村の食堂というか、レストランに入る。

肉炒めとコーラを注文。まずはコーラを一気に飲む。生き返る!

肉炒めも美味しかった!満足!

 

食堂を出ると19時半だった。これからテントの張れそうな場所を探すのは面倒だ。

今日はメイン道路沿いのちょっとした丘の上にテントを張ることにした。周りにはいくつかゲルが点在していて、近くにヤギの群れがいた。とても目立つ場所だが、逆にゲルに住む遊牧民の人に挨拶して、ここで寝る許可を取ろうと思った。

テントを張って外で歯を磨いていると、バイクに乗ってヤギの群れを誘導しに来た遊牧民のおじさんがやって来た。そのおじさんに挨拶すると、おじさんは手振り身振りで、テントで寝るより、ゲルに泊まれと言ってくれた。この人も優しい人だ。

おじさんのゲルは道路の向こう側で少し遠かったので、自分のテントで寝る事にした。テントを張る許可(?)も取れたし、人目がない場所を探すより、今日は疲れていたのでここにテントが張れて良かった。

安心して、テントに入って寝ようとしていると、豚の群れ(家畜)がテントの周り囲んでいた。豚は物音に動じないので、少し怖かった。モンゴルで豚の群れを見たのは初めてだった。ウンコがしたくなったが、我慢していたら寝てしまった。

 

vol.5へ続く。